ぶどうの品種

「Aはアコロン(Acolon)」から「Zはツヴァイゲルトレーベ(Zweigeltrebe)」まで、ドイツで栽培されているぶどう品種は実に多様です。ドイツ連邦統計局のぶどう畑に関する統計によると、約140品種が栽培されており、そのうちのいくつかはクヴァリテーツワインの生産認可が保留になっています。

内訳は、約35品種が白ワイン品種、100品種以上を赤ワイン品種が占めています。しかし、市場において重要な品種は約20品種ほどで、最も重要なのが白ワイン品種であるリースリングと別名リヴァーナーと呼ばれるミュラー・トゥルガウです。この2品種で総栽培面積の3分の1を占めています。リースリング(約23.300ヘクタール)とミュラー・トゥルガウ(約12.900ヘクタール)は13のワイン生産地全てにおいて栽培されています。

第3位は赤ワイン品種のシュペートブルグンダー(約11.800ヘクタール)で、以上3品種でドイツのぶどう畑のおよそ半分を占めています。個々のぶどう品種の占める割合は、流行や経済的重要性、市場における成功の度合いを示しています。造り手の多くは、需要の低い品種は、人気の高い品種に植え替える意義があると認識しています。

白ワイン品種のうち、3番目に多く栽培されているのがグラウブルグンター(約5.300ヘクタール)です。ジルヴァーナー(約5.100ヘクタール)、ヴァイスブルグンダー(約4.600ヘクタール)、ケルナー(約3.000ヘクタール)がこれに続いています。1960年代、1970年代に成功を収めた新交配品種のほとんどは市場価値を失い、伝統品種が復活しています。

市場のグローバル化はワインづくりにも影響を及ぼしています。例えば、国際的に重要な品種であるシャルドネは、カベルネソーヴィニヨンやメルロなどの南国の有望な赤品種と同様、ドイツでも栽培されています。また、ドイツにおける赤ワイン需要の高まりとともに、多くの造り手が需要の少ない白品種を赤品種に植え替えました。1980年代半ばには赤ワインブームが起こりました。現在はやや下火になっていますが、 以来赤ワイン品種の栽培面積は2倍以上増加し、今日では総面積の36%を占めるまでになりました。内訳は、シュペートブルグンダー(約11.800ヘクタール)がトップの座を占め、ドルンフェルダー(約8.100ヘクタール)が2位、続いてポルトギーザー(約3.700ヘクタール)、トロリンガー(約2.300ヘクタール)、シュヴァルツリースリング(ミュラーレーベ、約2.100ヘクタール)の順となっています。

これらに続くのが、近年栽培面積が増加しているレゲント(約2.000ヘクタール)とレンベルガー(約1.800ヘクタール)です。魅力的な赤ワインビジネスは、若い世代の造り手たちに、伝統的な栽培・醸造方法への回帰を促したり、国際的なワインスタイルを試みるきっかけになるなど、良い刺激となっています。


赤ワイン品種

シュペート・ブルグンダー(ピノ・ノワール)をはじめ、ブルグンダー(ピノ)品種はバーデン地方で幅広く栽培しています。また、ヴュルテンベルグ地方ではトロリンガーや、シュヴァルツリースリング(ミュラーレーベ)、レンベルガー、ファルツ地方ではポルトギーザーが栽培されています。» 赤ワイン品種

白ワイン品種

リースリングはラインガウ地方、モーゼル地方、ミッテルライン地方、ヘッシェ・ベルクシュトラーセ地方で、最も多く栽培されている最重要品種です。また、ミュラー・トゥルガウはバーデン地方、フランケン地方、そしてラインヘッセン地方やザーレ・ウンストルート地方、ザクセン地方でも栽培されている重要品種です。» 白ワイン品種