ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方 Hessische Bergstraße

ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方のぶどう畑は450ヘクタールで、アール地方、ミッテルライン地方、ザクセン地方と並んで、ドイツで最も小さなワイン産地に数えられます。ワイン法により「ベルクシュトラーセ」がヘッセン州に属する部分とバーデン・ヴュルテンベルク州に属する部分に分かれたため、ヘッセン州側に属する部分が、1971年より独立したワイン生産地となったのです。栽培品種はリースリングが多く、約半分を占めています。ワインの多くは辛口仕立てで、ほとんどが地元の消費者に直接販売されています。

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ロケーション

ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方はネッカー川、ライン川、マイン川の間に挟まれ、オーデンヴァルト山地に守られた一帯で、2つのベライヒに分かれています。シュタルケンブルクというベライヒはダルムシュタットの南に位置し、畑は分散していますが、南のツヴィンゲンベルクからは畑はコンパクトにまとまっていきます。主なワインの生産地は、アウエルバッハ、ベンスハイム、ヘッペンハイムです。ヘッペンハイムの南側のヘッセン州の州境がこのベライヒの境界となっています。もう1つのベライヒは、より小さく「オーデンヴァルダー・ヴァインインゼル(オーデンヴァルトのワイン島)」と呼ばれています。ただし正式名は「ウムシュタット」です。中心地はグロース・ウムシュタットという街です。

気候

「ドイツはここからイタリアになる」と言ったのは、ヨーゼフ2世皇帝でした。彼が1766年にフランクフルトからベルクシュトラーセを越えて旅をした時の言葉です。ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方の温暖な気候を決定づけているのは、オーデンヴァルト山地であり、冷たい北風や東風から同地方を守っています。また、ライン川、マイン川、ネッカー川は蓄熱槽の役割を果たしています。年間平均気温は10度、日照時間は1,600時間、年間降水量は720ミリを記録し、生育期間が長く、ぶどうの栽培には非常に適した気候です。


土壌

ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方で特徴的なのは、乾燥した、養分の少ない、熱を少し持った砂の土壌と、粒子が細かく、深さがあり、水分を充分に保つことのできるレスです。これらの基底土壌は非常に古い、密度の高い風化土壌を形成しています。レスはミネラル分の豊かな、肥沃な基底土壌であり、ワインにアロマの豊かさと力強さをもたらしてくれます。ヘッペンハイム近郊の急斜面ではライン川の砂礫層由来の雑色砂岩土壌が見られます。

ぶどう品種

ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方では主に辛口、中辛口のワインが生産されています。この小さな生産地の典型的品種はリースリングで、栽培面積の約半分を占めています。次いで多く栽培されているのが、ミュラー・トゥルガウ、グラウブルグンダー、シュペートブルグンダーです。

ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方早わかり

ロケーション ネッカー川、ライン川、マイン川に囲まれ、オーデンヴァルト山地に守られた地域
気候 理想的な日照条件と充分な降水量
土壌 軽い土壌は、異なる割合でレスが混在
ぶどう畑 約450ヘクタール、ベライヒ2、総合畑3、単一畑23
ぶどう品種 リースリング、シュペートブルグンダー、グラウブルグンダー、ミュラー・トゥルガウ