ラインヘッセン 2019年現地リポート ドイツには13のワイン産地がありますが、そのなかでも、最も栽培面積が大きいラインヘッセン地方。136ある市町村のうち、133市町村でブドウ栽培が行われています。

ドイツ国内で最もダイナミックに新しいワイン生産を行っている地

11/29/2019

ラインヘッセン 2019年現地リポート

ドイツには13のワイン産地がありますが、そのなかでも、最も栽培面積が大きいラインヘッセン地方。136ある市町村のうち、133市町村でブドウ栽培が行われています。ブドウ栽培面積は26,758haで、ワイン生産者の数は2,394にのぼります。

ラインヘッセンには、1980年代までは大量生産のワインの産地というイメージがつきまとっていました。甘口の大衆ワイン「リープフラウミルヒ」の産地として有名だったからです。しかし、そんなマイナスイメージも、生産者たちの意識変革によって大きく変わりました。甘口から辛口へ、量から質へ。今ではドイツ国内でも、最もダイナミックに、新しいワイン生産を行っている地として注目を集めています。

ドイツでワインに限定されるビオ生産者団体の全国組織「エコヴィン(ecovin)」は、ラインヘッセンで1985年に発足しました。238の生産者が認定されている(2018年)、世界でも最大のオーガニックワイナリー協会です。

ラインヘッセンは北側と西側を山に囲まれているため年間降水量は約600mmと少なく、年間日照時間は約1700時間にのぼる温暖な土地のため、カビが繁殖しにくく、病気が少なく、ビオやビオディナミをするには適しています。現在、ドイツのブドウ畑の7.3%がオーガニック認定を受けていますが、2008年は4400ha、2018年は9300haとこの10年間で2倍以上の伸びを見せています。そのうちの2/3は、ラインヘッセンも位置するラインラント・ファルツ連邦州にあります。また2001年に設立されたラインヘッセン地方の若手生産者が立ち上げた団体「メッセージ・イン・ア・ボトル」は、この産地の変革の象徴的存在です。テロワールを重視したワイン造りを行い始めた彼らの存在は、マスコミやソムリエたちの注視を集めて、スター生産者が何人も登場しました。

ラインヘッセンの土壌はモザイク状で、土壌の質を映すリースリングはそれにより味わいが異なります。ラインヘッセンには黄土、ドイツ語でレスと呼ばれる土壌が広く分布しています。黄土は砂漠や氷河に堆積していた岩粉が風によって運ばれ、堆積したもので、さわると軽く、水はけがいいのが特徴です。この土壌からは、柔らかく大らかな味わいのリースリングが生まれます。

その他、ラインヘッセン各地に特徴的な土壌が見られます。最も有名なのは東部のライン川沿いのナッケンハイムからニアシュタインにかけてのローター・ハング(赤土の急斜面)と呼ばれる地域です。本来は地下深くにある赤底統の地層が断層により露出したところで、その土壌のリースリングは芳香性があり、華やかでボディもありながら、上品な味わいに仕上がります。南部は太古は海底だったことから、貝殻石灰質が見られます。ヴェストホーフェンには、モアシュタインやキルヒシュピールといった銘醸地があり、緻密でミネラル感があり、塩味を含むワインが生まれます。またラインヘッセン北西部のアッペンハイムあたりにも石灰質土壌があり、この生産地はまだそれほど知られていませんが、若い生産者たちが意欲的なワイン造りを行っています。さらにラインヘッセン西部には火山性の斑岩や黒斑岩、流紋岩があり、そのリースリングは熟した果実とボリューム感、ミネラルに裏打ちされたトーンの高さが特徴的です。

赤ワインもまた注目されています。90年代の世界的赤ワインの流行、また地球温暖化によりシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)が栽培しやすくなったことから、高品質な赤ワインが増えています。ラインヘッセンでは、北西部にある石灰質土壌のインゲルハイムが産地として有名です。以前は樽をしっかり効かせたタイプが多かったのですが、温暖化でブドウが熟すのに伴い、ブドウの質をそのまま生かしたきれいな飲み口のものが増えています。良質ながらブルゴーニュなどと比べると安価ということで近年、人気が高まりつつあります。

ラインヘッセンのブドウ栽培の割合は白が71%、赤が29%。そのうち白は上位からリースリング18%、ミュラー・トゥルガウ16%、シルヴァ―ナ8%、グラウブルグンダー(ピノ・グリ) 7%、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン) 5%(2018年)。ドイツ国内で最も多くシルヴァーナが栽培されている地として知られていますが、近年はリープフラウミルヒなどの原料として重要だった、ミュラー・トゥルガウ、ケルナー、シルヴァーナの栽培面積は減少し、高品質な辛口となるフランス系品種(ピノ・ブラン、ピノ・グリ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン)の面積が増えています。

リースリングは2000年は2597ha、2018年は4738haで、約80%伸びています。いずれも2000年と2018年を比較すると、グラウブルグンダー(ピノ・グリ)は4.5倍、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)は3倍、シャルドネは4倍増となっています。ソーヴィニヨン・ブランは、2000年にはまったく植わっていませんでしたが、2018年は427ha栽培されています。反対にミュラー・トゥルガーは24%減、シルヴァ―ナは30%減、ケルナーは64%減となっています。

一方で、赤は最も多いのがドルフェンダー13%、2位はシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)6%(2018年)。2000年と2018年を比べるとドルフェンダー2倍、ピノ・ノワールは1.7倍の伸び率です。さらにメルローが6位、カベルネ・ソーヴィニヨンが7位に入るなど急増しています。しかし、廉価な量産ワインに使われることの多い赤ワイン品種ポルトギーザー、レゲントの栽培面積は減っています。ミクロクリマとモザイク土壌のラインヘッセンは、多様なブドウ品種を受け入れられる地でもあります。


発信元:Wines of Germany日本オフィス 担当:北野

Mail:press@winesofgermany.jp

TEL:03-5789-2566

公式HP:www.winesofgermany.jp

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