ドイツワインコラム No.1

あなたは、どんなワインが好きですか?

一時期は濃い赤ワインが人気で、そういったタイプのワインを1本頼み、レストランや居酒屋で仲間と飲んだ経験のある人も多いのではじゃないでしょうか。

私たち日本人が日々食べる料理は、決して脂も多くないし、味も濃くはない。日本人の味覚は世界的に見ても繊細。それなのに、ワインだけいきなりパワフルというのでは、頭に「?」マークが点滅してしまう人もいるのではないでしょうか。

もっと繊細で、ピュアで、伸びやかで、良い意味で飲み心地のいいワインのほうが、親しみやすいですよね?

その代表ともいえるのが、ドイツワイン。その美味しさに気づく人がいま、世界で増えてきています。世界のワイン市場のなかでも最先端をいくニューヨーク、それにガストロノミー界を牽引する北欧では、いまドイツワインが多々、消費されているのです。

こうした国々でも、かつては濃くて重いワインがもてはやされた時代がありました。でも、昨今の健康志向の高まりなどを受けて、あまり手を加えず、食材の良さそのものを生かすヘルシーな料理が世界的に流行。それとともに、ワインもよりピュアでスムーズなものが支持されているのです。

そんなドイツワインを選ぶ流れは、少しずつ日本にも波及してきています。その証拠に、2019年(1月~10月)のドイツワインの輸入量は、前年と比べてじつに50%も増加しているのです。

ドイツは、ワインの原料となるぶどう栽培の北限に近い地。ワイン伝統国のヨーロッパらしく、ワインづくりの歴史は古代ローマ時代にまでさかのぼることができます。

近年は若手の生産者が伝統的な製法に現代的なアイディアやスタイリッシュなコンセプトを取り入れ、量ではなく質を重視することで、ドイツならではの魅力を表現することに成功しています。そんな若手生産者の努力が、新たなドイツワインブームを生むひとつの要因になったのです。

ドイツワインの代表的なぶどう品種といえば、リースリング。ぜひ一度、飲んでみてください。ミネラルと、美しい酸、そして熟した果実からくる甘みの見事な調和。それはワイン初心者であろうと、ワイン通であろうと、誰にとっても素直に美味しいと思える味わい。

そう。飲めばきっと、あなたもドイツワインが好きになります。

(文:鳥海美奈子)


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