ドイツワインコラム No.2

昨今は、家飲みの需要が高まっていますね。とはいえ、果たしてどんなワインを選べばいいんだろう?と頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。

そんなときは、ぜひドイツワインを選んでみてください。繊細な味わいのドイツワインは、日本の食卓に本当によく寄り添ってくれるからです。

ドイツワインの白の代表格といえば、リースリング。世界のワイン産地のなかでも北限に近く、ドイツのリースリングはライムやりんご、ハーブなどの香りが漂い、とてもアロマティック。飲むとみずみずしい果実の味わいが口のなかに広がり、後味にはフレッシュな酸も感じられます。

そんな香りや味わいの要素、たとえばハーブとか、レモンなどの柑橘系果汁を使った料理だと、とてもよく合います。

これから旬を迎える大葉やみょうが、水菜を加えた大根の和風サラダ。三つ葉やセリ、パクチーを使ったベトナム系サラダや生春巻きもいいですね。アスパラガスや菜の花のソテー、グリルしたスナップエンドウにパルミジャーノとオリーブオイルをかけても、美味しい。もっと手間をかけずに楽しみたいなら、甘酸っぱいブランドトマトをつまんでみてはいかが?

もう少しボディのしっかりしたタイプのリースリングであれば、魚や肉にも十分に合います。鯛のカルパッチョ、レモンをしぼった牛タンや上質な白系生ハムなどと一緒にぜひ、楽しんでください。

近年、ドイツでも生産量の上がっているぶどう品種にヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)があります。柔らかく親しみのある味わいで、いい意味で万人受けするタイプ。食事も唐揚げや焼き鳥、つくねといった毎日のご飯と気軽に合わせられます。

さらにグラウブルグンダー(ピノ・グリ)は果実や酸に加えて、やや甘みもあるのが最大の魅力。とはいえべた甘ではなく、酸味と甘さがきれいに調和しているから、ワイン単体でも美味しく飲み進められます。少し苦味のある山菜やアスパラの天ぷら、中華炒めやエスニックとも好相性です。

そして赤ワイン好きなら、ぜひシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)を選んでみて。エレガントで上品、赤果実を思わせるチャーミングさと軽やかさ。渋みもあまり強くなく、繊細ながら一本芯のとおった味わいは、出汁を使った炊き合わせや煮込み料理など、ほっこりできる和の家庭料理にぴったりです。またカツオやマグロなど血合いを持つ魚、レバーなど内臓系の焼き鳥からうなぎの蒲焼まで幅広く合いますから、ぜひお試しを。

(文:鳥海美奈子)


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